パーキンソン病「どうなったら薬が必要?」



【質問】パーキンソン病と診断されたら、症状が軽くても薬が必要なのだろうか?

【答】

以前は症状によって日常的に支障を来すようになってから薬が使われていました。 しかし、発症早期の患者さんを対象とした近年の臨床試験では、1年近くL-ドパを使った人には服薬を中止してみても、 無治療の人よりも良い状態に保たれていたのです。早期に治療を始めれば、症状の進行も抑えられるようになっているので、 症状が軽くても薬を使い始めることが勧められます。


【質問】早くから薬を使っても、パーキンソン病は治らない?

【答】

パーキンソン病は、ドーパミンを作る神経細胞(ドーパミン神経)が変性して減ってしまう病気です。 薬を使っても神経細胞の変性は止められませんが、そもそもドーパミン神経は、加齢に伴って誰でもある程度減っていくものです。 しかし、ドーパミンが不足することで発症しているので、薬で補充すれば明らかに症状は改善します。 症状が軽いうちに治療を始めて、正常に近い状態にコントロールし、より長い間、生活の質を維持するというのが 今の治療の考え方です。前述の臨床試験の結果も、主にL-ドパによって良い状態を保つことで、 自然に体を動かしていたことが良かったのだろうと考えられています。薬の服用と併せて、早期からのリハビリが大切です。